少子化が止まりません。厚生労働省の発表によれば、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は2022年に1.26と、2005年に並んで過去最低でした。7年連続の低下ですが、2005年に比べると、27都府県が上昇しています。
上昇幅がみられるのは、徳島県、宮崎県、鳥取県など西日本が多く、北海道や東北が軒並み低下するなど、西高東低が目立っています。
徳島県は、出産後の円滑な復職を後押しするため、産前産後の負担軽減に取り組んでいます。宮崎県は、男性に比べた女性の賃金水準が2022年に78%と2005年より13ポイント向上しています。鳥取県は、女性管理職比率が2020年に17.0%と、2005年より6.4ポイント上がっています。2020年の女性管理職比率を2005年と比べた伸び幅の平均は、四国・九州が4.5ポイントと全国の3.9ポイントを上回ったのに対し、北海道・東北は3.3ポイントにとどまっています。
かつては世界的にも、女性の社会進出が進むほど出生率が下がりましたが、今では北欧など女性が社会で活躍する地域ほど出生率が高くなっています。働きながら子育てしやすい環境を整えられるかで、自治体の明暗が分かれてきます。
(2023年7月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)