気象庁のデータ解析によれば、局地的に激しい雨を降らせる線状降水帯は、未明から早朝に多く発生する傾向があります。過去2年の気象庁の分析では、5割が午前0〜8時台の間に観測されています。上空の空気が夜間に冷え大気の状態が不安定になることが要因とみられます。発生場所は山口県を含む九州地方が多く全体の半数近くを占めています。九州地方でも、32回のうち24回(75%)が未明・早朝に集中しています。
線状降水帯とは、次々と発生した積乱雲が長さ50~300㎞程度にわたり同じ場所で、長時間激しい雨を降らせます。積乱雲が帯のように連なることから、線状降水帯と呼ばれています。2017年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨、2020年の九州豪雨など大規模な災害の要因となっています。線状降水帯を含む豪雨の増加には、地球温暖化による気温や海水温の上昇が影響しています。
(2023年8月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)