中間貯蔵施設の建設

全国の原発では使用済み核燃料がたまり続けており、国は電力大手が中間貯蔵施設を共同利用するよう促しています。中間貯蔵施設は、原発で使い終わった核燃料を再処理して再び使うために、一時的に貯蔵する施設です。国内には、青森県むつ市に最終的に5千トン規模の使用済み核燃料を最長50年にわたって保管する施設を整備しています。燃料は金属キャスクと呼ばれる専用容器に入れられ、冷やされます。
中国電力と関西電力による中間貯蔵施設の建設は、原発施設内の貯蔵プールにたまり続ける使用済み核燃料を、一時的に保管する急場しのぎの策です。国が描く核燃料サイクルはまわっていません。
原発の使用済み核燃料には、まだ使えるプルトニウムやウランが含まれています。これらを取り出して、再び燃料にして原発で繰り返し使う仕組みが核燃料サイクルです。中間貯蔵はサイクルの入り口にあたりますが、最も重要な施設である再処理工場はトラブル続きで、30年前に着工したものの完成のめどはたっていません。

 

(2023年8月3日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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