保育士資格者の復職支援

こども家庭庁は、2024年度から保育士不足の緩和へ保育士資格を持つ人の復職支援を拡大します。業務を手伝う保育補助者として、保育所などが有資格者を雇う際に支援金を出します。保育補助者は、クラス担任や保護者への対応はせず、子どもの着替えや食事の世話など保育士の手伝いが中心となります。一般的に保育士より業務負担は少なく、保育士資格もいりません。
支援金の交付対象に、潜在保育士と呼ぶ有資格者も加えます。保育士の資格を持つ登録者数(160万人超)のうち、実際は保育士として働いていない人は、2020年時点で102万8,000人にも達しています。10年間でおよそ1.6倍に増えています。保育士の有効求人倍率は2022年度で2.46倍と、全体の平均の1.31倍に比べ高くなっています。潜在保育士の復帰で、現場の人手不足の解消を促します。
こども家庭庁は、2024年度の概算要求に支援金の支給要件の緩和を盛り込んでいます。国が4分の3、自治体が4分の1を拠出し、施設に給付します。定員が121人未満の施設は年に233万円ほど、121人以上だと467万円程度を支援します。政府は、こども未来戦略方針で保育の質の向上を今後3年間の計画に位置付けています。1人の保育士が担当する子どもの数を減らし、目を行き届きやすくします。

(2023年9月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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