2022年度に献血をした30代以下は167万人で、2012年度の251万人から約33%減となり、若年層の献血離れが続いています。献血可能なのは16〜69歳で、日赤によれば、2022年度の総献血者数は501万人です。うち10代は22万人、20代は70万人、30代は75万人でした。10年以上前から総数は500万人前後で推移しており、若年層の減少分を40代以上が支えている状態です。
献血で集められた血液は、大半が50歳以上の医療に使われています。今後は少子高齢化で血液の需要が増す一方、献血に協力する人が減ることが懸念されています。若い献血者が減っている要因は、少子化の影響もありますが、若年層の献血率自体も低調傾向にあります。この傾向が変わらなければ、将来輸血用血液の供給が不安定になる懸念もあります。
血液中の全成分を献血するのは全血献血で、量は200㎖と400㎖があります。特定成分を献血する成分献血は、血小板や血漿(けっしょう)といった成分だけを採血し、赤血球は体内に戻します。献血された血液からは、赤血球製剤や血小板製剤といった輸血用血液製剤のほか、特定のタンパク質を抽出した血漿分画製剤が製造されています。
(2023年10月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)