筑波大学とアサヒビールとの共同研究によれば、ノンアルコール飲料により飲酒量を減らすことができるとの結果が得られています。20歳以上で週4回以上飲酒し、1回の飲酒量が男性で純アルコール40g以上、女性で20g以上、ノンアル飲料を飲むのは月1回以下の条件で参加者を募集しています。この飲酒量は、厚生労働省が生活習慣病のリスクを高めるとするレベルです。2つのグループに分け、一方にだけノンアル飲料を12週間提供し、双方とも飲酒の制限はありません。
開始から12週間で、ノンアル飲料なしの群の飲酒量は、調査前と比べ純アルコール換算で1日あたり1人平均2.7g減りました。ノンアル飲料を提供された群は11.5g減り、ノンアル飲料を1日平均314.3㎖飲んでいました。飲酒量の減少とノンアル飲料の摂取量増加には統計的に相関が見られ、酒がノンアル飲料に置き換わった可能性が示唆されました。
飲酒量を毎日記録することで量を意識し、飲酒をセーブした可能性もあります。体重を記録して減量するのと同じ構造です。ノンアル飲料なしの群でも飲酒量が減っているのは、記録を付けた影響と思われます。また、ノンアル飲料の提供が終わった後も、飲酒量は調査前には戻らず、低いままでした。酒を飲まない、または量を減らす習慣がついた可能性もあります。
(2023年11月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)