市販薬乱用の販売規制

厚生労働省は、若者を中心に市販薬の乱用が広がっていることを受け、乱用の恐れがあるせき止め薬やかぜ薬の販売規制を強化します。20歳未満には、大容量の製品や複数個の販売を禁じます。小容量を販売する際も、対面やビデオ映像・音声によるオンラインでの販売とします。
薬局やドラッグストアなどで医師の処方箋なしに購入できる、せき止め薬やかぜ薬の市販薬には、依存性のある成分を含み、乱用されやすいとされています。例えば、せき止めの有効成分コデインは、化学構造が医療用麻薬のモルヒネと似ています。
厚生労働省は、乱用のおそれのある医薬品の特別な販売ルールを設けてきました。販売は原則1人一つとし、中学生や高校生の子どもに売る場合、店側は氏名と年齢を確認しなければなりません。しかし、ルールは徹底されていません。若年者による乱用も深刻です。厚生労働省研究班の2021年度の調査によれば、高校生の60人に1人である1.6%が、過去1年に市販のせき止め薬やかぜ薬を乱用した経験があったとしています。
販売規制案では、20歳以上に小容量製品を一つ売る場合を除き、対面または映像と音声でやり取りするオンライン販売に限ります。20歳未満の場合は、店側に氏名や年齢を確認、記録させ、大容量製品や複数個の販売を禁じます。また、20歳以上でも、大容量または複数個を売る場合は、氏名や年齢を確認、記録させるとしています。

(2023年11月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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