低出生体重児の増加

2022年に生まれた日本人の赤ちゃんは約77万人で、そのうち約7万人が、2,500g未満で生まれる低出生体重児です。その割合は、50年で2倍近くになっています。多くの赤ちゃんは37~41週で生まれ、平均体重は約3,000g程度です。早く小さく生まれるほど、命の危険や障害、病気の可能性が高くなり、医療的ケアが必要になることもあります。
小さな赤ちゃんが生まれてくる理由には、早産や双子などの多胎の他にも、妊娠年齢の高齢化、子宮内感染症や妊娠高血圧症候群といった病気、赤ちゃんの先天性疾患などがあります。周産期医療が進み、早産などになっても日本では助かる赤ちゃんが増えてきています。人口動態統計によれば、生後28日未満の新生児の死亡率は、1975年の出生1千人あたり6.8人から、2022年には0.8人に下がり、世界でも最も低い水準にあります。
一方、早産児は、脳性麻痺や視力や聴力の障害、発達の遅れがみられることもあります。2010~2019年に生まれた子どもの約4割、31週で生まれた子どもの約1割に、3歳の時点で発達の遅れがみられています。医療の進歩によって、低出生体重児が増えたことを社会全体でしっかり受け止め、退院後も長期にわたってサポートできるように努力する必要があります。

(2023年12月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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