胃がん予防のために―Ⅳ

ピロリ菌の除菌
ピロリ菌感染が確認された場合は、抗生剤による除菌治療を行います。まず1次除菌治療として、胃酸分泌抑制薬でピロリ菌の活動を弱めると同時に抗生物質のアモキシシリンとクラリスロマイシンを投与します。1次治療で効果がない場合は、2次除菌治療として、抗生物質のクラリスロマイシンを原虫治療薬のメトロニダゾールに変更して実施します。いずれも朝夕の1日2回、7日間継続して服用します。 
ピロリ菌を除菌すれば、胃がんの発生リスクを減らせると考えられています。早期胃がんの内視鏡切除後にピロリ菌を除菌した人は、除菌しなかった人に比べて、3年以内の新しい胃がんの発生割合が約3分の1に低下したという報告があります。ただし、ピロリ菌を除去しても、胃がんの発生がゼロになるわけではありません。胃がんによる死亡を減らすには、除菌後も定期的に胃がん検診を受けるべきです。

(よぼう医学 2023 秋号 №22)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。