東京圏への一極集中

東京圏への人口の一極集中が、再び強まってきています。総務省の住民基本台帳に基づく2023年の人口移動報告によれば、31道府県で人の流出が前年より拡大し、首都圏の近隣3県が転出超過に転じています。生活コストの高い東京都への集中は、少子化につながると懸念されています。人口減に拍車がかかる地方は、インフラの維持も課題になってきます。
東京圏への転入超過は2年連続で前年を超え、2022年より2万6,996人増えています。東京都の転入超過は6万8,285人と、2022年よりも3万262人増え、2年連続で前年を上回っています。コロナの影響で在宅勤務が広がり、転入超過は一時は減ったものの、増加傾向に転じています。都道府県別でみると、転入超過は、東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、滋賀県、福岡県の7都府県だけでした。
名古屋圏は1万8,321人の転出超過で、日本人に限ると11年連続です。主に東京圏へ人が転出しています。大阪圏は559人の転出超過でしたが、日本人のみでは11年ぶりとなる235人の転入超過でした。転出超過は広島県が最大で、40道府県に上っています。

 

(2024年1月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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