学童保育の不祥事

 学童保育とは、仕事と子育ての両立が国を挙げての課題となる中、子どもが卒園して小学校に入学しても、保護者が安心して就労を継続する上で不可欠の制度である。待機になったり、生活圏に学童保育施設がなかったりして入所できないことが多く、「小1の壁」とも呼ばれ、社会問題化している。一方で、小学生が放課後を過ごす学童保育施設で、子どもが性的被害に遭う事件が相次いでいる。政府の女性雇用確保のために学童保育の定員を大幅に増やす方針を打ち出しているが、今改めて保育の質が問われるようになっている。

 学童保育の施設数は15年前の2.2倍となり、利用児童数も2.6倍に増加している。さらに政府は19年度末までに30万人分増やすとしている。しかしながら、学童保育指導員の養成とともに質の確保できる体制が整備されていない現状がある。厚労省は、学童保育の指導員に一定の要件を設けるようにしており、市町村長の許可が必要となる。身分を安定させ、モラルと技量をさらに高めることが大切であり、学童保育における不祥事を減らす努力が必要となる。

(2014年10月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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