文部科学省の調査によれば、不登校の小中学生が2023年度は34万6,482人に上り、過去最多となっています。前年度比4万7,434人で15.9%増で、初めて30万人を超えました。いじめは、小中高校などが認知した件数は73万2,568件で、生命や心身への被害や長期欠席などを含む重大事態は1,306件と、いずれも過去最多でした。
学校別にみると、小学生は13万370人(前年度比24.0%増)、中学生は21万6,112人(11.4%増)で、いずれも11年連続で増加しました。小中学生の不登校はコロナ禍の2021年度に急増し、その後も増加が続いています。コロナ禍でいったん崩れたリズムを立て直すのが難しいことや、無理してまで学校に行かせなくてもよいという意識の広がりがあります。
不登校の低年齢化も目立ちます。2023年度は小学1年生が9,154人で過去最多となり、2年前から倍増しています。学年が低くなるほど増加率が高い傾向が見られています。不登校の状況としては、学校生活に対してやる気が出ないが最多の32.2%、不安・抑うつが23.1%で続いています。
子どもの心身に深刻な被害を生じさせるいじめの重大事態が1,306件に上り、前年度から4割増となっています。重大事態への理解が広がり、学校が積極的に認定したことが背景にありますが、いじめの兆候を見逃し、重大事態を招くケースも少なくありません。深刻な被害が生じるまで学校がいじめと捉えていなかった事案が37.5%もみられます。
(2024年11月1日 読売新聞)
(吉村 やすのり)