年内入試の増加

 文部科学省によれば、2023年春の入学者のうち、総合型選抜と学校推薦型選抜で入学した学生の割合は、前年度比1ポイント増の50.7%と初めて半数を超え、一般選抜を上回っています。内訳は、総合型が国立5.9%、公立4.1%、私立17.3%です。学校推薦型が、国立12.3%、公立26.0%、私立41.4%でした。

 朝日新聞らの調査によれば、総合型選抜を増やす方向と答えたのは、国立大が37%、公立大が18%、私立大が43%です。学校推薦型選抜を増やす方向は、国立大が28%、公立大が11%、私立大が21%でした。両選抜を減らす方向は、国公立がゼロ、私立は総合型が1%で学校推薦型も3%と少数でした。

 総合型選抜と学校推薦型の各選抜の主な目的については、多様な学生の受け入れによる授業や諸活動の活性化は、国公立大は総合型で7割台、学校推薦型で5~6割と高く、私立大は総合型が5割台前半、学校推薦型が3割と低めでした。専門分野への強い興味・関心を持つ学生の確保も、国公立大は7~8割を占め、私立大では6割台でした。

 私立大で多かったのが、入学者数の確保です。総合型では39%、学校推薦型では49%で、規模が小さい大学ほどその割合は高く、総合型では、入学定員が3千人以上の大学が8%だったのに対し、300人未満の大学は45%に達しています。学校推薦型でも、それぞれ19%と49%で大きな差が見られています。

 学生集めに危機感のある一部の私立大は、早い時期に学生を確保しないと定員割れしかねないため、枠を広げる傾向にあります。他方、国公立大や難関の私立大は、特定領域への強い関心や主体性など一般選抜で測れない特長のある学生をとる狙いがあります。

(2024年11月10日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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