市販薬のコンビニ購入

 厚生労働省は、薬剤師や登録販売者がいないコンビニエンスストアなどの店舗でも市販薬を買えるようにします。薬剤師とインターネット上でやりとりすれば、解熱鎮痛剤のロキソニンや胃腸薬のガスター10といった第1類医薬品が購入できます。夜間に発熱した人や、薬局が少ない地域での利便性向上につながります。

 現在は、薬剤師や登録販売者がいない店舗は、第1~3類の一般用医薬品を原則扱えません。第1類は服用上の注意点を理解する必要があるため、薬剤師による販売を義務づけています。胃腸薬や解熱鎮痛剤などです。第2類と第3類は、薬剤師だけでなく登録販売者と呼ばれる有資格者でも扱うことができ、説明の義務はありません。一般用医薬品は、すでにインターネット販売が全面解禁されています。

 一般用医薬品よりもリスクが高いとされる薬に要指導医薬品があります。処方箋が必要な医療用医薬品から移行したばかりで、一般用医薬品としてのリスクが確定していない薬などがあります。薬剤師による対面での説明が必要となります。医療用医薬品は、医師が患者の症状や体質に合わせて出した処方箋をもとに薬剤師が調剤します。強い効き目を期待できる代わりに、重い副作用が生じる恐れがあるため、薬剤師がいる薬局で販売しています。

 市販薬は、ネット通販でも薬剤師や登録販売者とやりとりすれば買うことができるものの、手元に届くまで数時間から数日かかります。コンビニなら夜間の発熱時にもすぐに風邪薬や解熱剤を手に入れられます。

(2024年11月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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