文部科学省は、2050年の国内の大学入学者が42万人に減り、入学定員が現状を維持すると3割埋まらなくなると試算しています。大学進学率は2021年に54%で、2040〜2050年には60%程度に上昇すると試算しています。62万人だった入学者は、2030年には63万人となりますが、2035年には59万人、2040年には45万人に減少します。各大学が将来を見据えた計画を立て、実行する期間は残り10年程度しかありません。
外国人留学生数が増加すると仮定しても、2050年の定員充足率は71%にとどまります。都道府県別でみると、2040年時点で人気大学が集中する東京都の79%や大阪府の75%、京都府の72%でも8割を割ります。地方では5割台に沈む県もあります。
私大の定員割れも年々悪化しています。日本私立学校振興・共済事業団は、毎年度、4年以内に資金ショートする恐れがあり、自力での再生が極めて困難なレッドゾーン、10年以上先に資金ショートする可能性があるなど経営が困難なイエローゾーンなどの法人数をまとめています。567法人のうちレッドゾーンが16法人で3%、イエローゾーンは85法人で15%です。少子化で授業料や入学金収入が減ったことが影響しています。
(2024年11月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)