医療機器の輸入超過

 経済産業省の資料によれば、2023年の医療機器産業の世界市場は米国のシェアが47%を占める一方、日本は5%にとどまっています。日本の医療機器市場は輸入依存が続き、厚生労働省によれば、2022年は輸出より輸入が1.8兆円多くなっています。

 海外ではスタートアップが台頭しています。経済産業省によれば、2012~2022年に日本で承認された新しい医療機器のうち、海外企業が開発したものでスタートアップによるものは6割を占めたのに対し、日本企業では2割にとどまっています。さらに2011~2021年の日本の医療機器スタートアップの起業数は、米国の30分の1と少数です。海外、特に米国では、大学や医療機関と企業が連携するエコシステムがつくられており、医療機器の市場も大きくなっています。

 厚生労働省は、2025年度からスタートアップなどが医療機器の有用性を実証する拠点を整備します。医療機関や大学などから選んだ5カ所の拠点を活用し、実際に使用したデータを収集します。海外販売や治療アプリといったプログラム医療機器の開発も後押しし、医療機器産業を育成します。

(2024年11月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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