統計数理研究所調査によれば、「日本人は他人の役に立とうとしている」と考えられている人が、過去最高の45%に達していることがわかった。この質問が初めて取り入れられた昭和53年の調査では19%であり、2.4倍に上昇している。年代的にみると、とりわけ40、50代で利他的と考える人が増えており、社会の中核を担う世代に意識の高まりが目立っている。
利他的な評価が増えている背景には、戦後社会が成熟するようにつれ、ボランティアなどの公共性が国内でも高まってきていることがあげられる。また「まじめに努力すれば、いつかは報われると思う」と答えた人が、全体の72%を占めている。これらの結果は、一人の日本人として救われた感がするデータである。
(2014年10月31日 産経新聞)
(吉村 やすのり)