オンラインの診療と服薬指導の市場は拡大傾向にあります。富士キメラ総研の予測によれば、国内では2028年に合わせて191億円規模と2022年の2.4倍に膨らむ見通しです。これに伴って処方薬の配送需要も高まる公算が大きく、新規参入が相次いでいます。
GMOインターネットグループ系のGMOヘルステックは、処方薬を全国に無料配送するサービスを始めています。拠点とする東京・渋谷の調剤薬局では、薬剤師がオンライン服薬指導に対応するほか、ドイツ製の調剤ロボットも活用しています。
医療機関で診察を受けた後、薬局までの移動や待ち時間をなくしたい患者や慢性疾患などで定期的に服薬が必要な患者の需要を想定しています。オンライン診療と組み合わせ、診療から薬受け取りまでを在宅で完結する使い方も見込んでいます。しかし、オンラインの診療や服薬指導に抵抗感が残る患者も少なくないため、安全安心に利用できる環境の整備や丁寧な説明も求められます。
(2024年12月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)