妊産婦死亡数とその原因

 日本産婦人科医会の調査によれば、2010年以降、妊産婦死亡率は、10万分娩あたり 4 から5前後でほぼ変わっていません。1990年代に比べて大きく改善していますが、近年でも年間約30例の死亡が確認されています。妊娠婦死亡 590 例を年齢階層別に比較すると、35~39歳が最も多く、次いで30~34歳です。死亡率は年齢の上昇と共に増加し、40歳以降では20代前半と比較すると4.6倍となっています。妊産婦死亡率の低さは、世界でもトップレベルにあります。

 死亡原因の動向としては、2010年に約28%だった産科危機的出血の割合は年々減少し、2019年には7%にまで減少しています。一方、近年では自殺による死亡が、産科危機的出血による死亡の比率を超えています。2023年の死因の1位は頭蓋内出血・梗塞が6例で、うち4例は妊娠高血圧症候群に関連しないものです。

(日本産婦人科医会報 2024年12月号)
(吉村 やすのり)

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