日本政府観光局の発表によれば、11月の訪日客数は前年同月比30.6%増の318万7,000人でした。1~11月の累計でみると3,337万9,900人で、過去最高だった2019年の年間合計3,188万人を超え、記録を更新しています。
国・地域別で人数をみると、韓国が最多で前年同月比15.3%増の74万9,500人でした。大きく伸びたのが中国で、2.1倍増の54万6,300人でした。台湾が21.0%増、米国が34.0%、香港が13.3%増でした。2024年1~11月の累計では、訪日客数は新型コロナ禍前の2019年同期比で13.7%増でした。
訪日客の消費額は、2024年1~9月に5兆8,582億円と既に2023年通年の規模を超えました。中国や台湾、韓国といったアジアの消費額が多く、直近の7~9月の1人当たりの旅行支出は22万3,000円でした。円安の追い風もあり、2019年の同時期と比べると4割増加しています。
観光客は三大都市圏や人気の観光地に集中しており、地域によってはオーバーツーリズムの問題が深刻になっています。東京、大阪、京都を巡る観光はゴールデンルートと呼ばれ、いまだ多くの訪日客が集まっています。さらなる訪日客数や消費額の増加には、地方へ需要を分散させる取り組みも大切になってきます。
(2024年12月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)