生殖補助医療の法整備を検討しているPTは、今国会での法案提出は難しく、来年の通常国会への提出を目指すことになった。自民党案では、日本産婦人科学会が禁止してきた「代理出産」について、妻が生まれつき子宮がなかったり、治療で摘出したりした夫婦に限って認める。代理出産で生まれた子と依頼夫婦に親子関係を成立させる制度は検討事項とした。また、医学的に夫婦の精子と卵子で妊娠できない場合も、第三者の精子や卵子の提供による人工授精や体外受精を認める。これらの治療は国が認める医療機関だけができるとした。
自民党内では「親子関係を複雑にする」「医学的に危険だ」として、代理出産に反対する意見も根強い。一方、公明党は第三者の精子や卵子提供による人工授精や体外受精だけでなく、夫婦間によるものも、治療できる医療機関を登録制にする法案を検討している。自民党PTとしては公明党案も同時に、法案の中に取り入れて国会への提出を目指していたが、自民党内でも異論があり、党議拘束を外す前提で法案作りを進めている。代理出産などを禁止する法案も検討することになった。
(2014年11月1日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)