コミュニケーションロボットの進化

 人の相棒となるコミュニケーションロボットの重心が、便利さから安らぎに移っています。カシオ計算機とMIXIは、AIを活用し利用者を癒やす機能に特化したロボットを開発しています。単身世帯が増え高齢化も進む中、孤独に寄り添うことがビジネスとして成立しつつあります。

 AIは、これまで産業構造の変化を引き起こす技術革新の要素として重要度を増してきました。ここにきて人の感情に影響を与えるといったメンタルの効果にも注目が集まりだしたのは、AI自体の性能向上で高度な対話や情報交換ができるようになったことが背景にあります。

 AIとやり取りに感情移入するには、形状は情報端末よりペットや人型のロボットのほうが良いと思われます。機能重視のロボット開発に取り組んできた既存のIT・電機企業よりも、新規参入組のほうがメンタル面に特化する思い切った決断ができます。カシオ計算機のモフリンは税込み5万9,400円、MIXIのロミィは税込み9万8,780円です。

 調査会社のグローバルインフォメーションなどによれば、メンタルヘルスの分野でAIを活用する市場の規模は、2028年には2023年比3.6倍の39億ドル(約6,000億円)になるとされています。

(2024年1月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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