AIの研究力で中国が米国を猛追しています。トップ研究が集まる国際3学会の採択論文を分析したところ、著者数の多い上位10機関に中国勢が4機関入っています。機関別にみると、首位のグーグルなど米国勢6機関が2024年のトップ10に入っています。米国勢以外でトップ10入りしたのは中国勢だけです。トップ20には、12位のシンガポール国立大学、13位の韓国科学技術院などが入っています。日本勢は理化学研究所が64位、東京大学が71位でした。
上位50機関からの採択論文の延べ著者数を国別にみると、2024年の首位の米国は1万4,766人、2位の中国は8,491人でした。中国が急速に研究力を
高めており、4年間で8倍に増やしています。2020年時点では米国の著者数が72%を占め、中国は11%にとどまっていました。2024年に中国が31%と米国の53%に近づいています。
中国勢は米国に匹敵する生成AIの開発に成功しています。対立する米中を軸に世界のAI研究は進んでいます。日本が世界と渡り合うには、海外との協力を進めるほか、国をあげて研究開発や人材育成に取り組むことが不可欠となっています。
(2025年1月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)