成田国際空港会社の調査によれば、1978年に開港した成田は、旅客、貨物ともアジアの空港でトップクラスでしたが、韓国や台湾などの空港に抜かれて国際的な地位が低下しています。2019年の国際線旅客数は3,670万人で、世界の国際空港の中で18位です。2000年の8位から大きく下げています。
成田空港(千葉県)の年間発着枠の上限について、国土交通省が現在の30万回から34万回に拡大する方針を固めています。成田の発着枠拡大は、22万回から30万回に増やすことを決めた2010年以来です。2019年の発着数は26.4万回で、コロナ禍で一時落ち込みました。今年度は25.1万回に回復する見込みです。好調な訪日外国人需要などで、2026年にも30万回を超える需要が生じる可能性があります。
国は成田と羽田を首都圏空港と位置づけ、発着枠を計100万回に拡大することを目指しています。しかし、現在約49万回の羽田は既に上限を迎えており、成田の機能強化が急務となっています。
(2025年1月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)