短時間に大量に降る集中豪雪が増えています。2010年代以降に積雪量が過去最多を更新した地点は、1990〜2000年代の4倍近くになっています。地球温暖化を背景に、雪雲が発達しやすくなったことが一因です。最も雪の降った日の降雪量が、年間総量に占める割合は全国的に高まっています。全国平均で見ても2000年代の10%台前半から、ここ10年で2~3ポイント上昇し、豪雪のスケールは増しています。1日当たりの最大積雪量を分析すると、全国で2010年以降に記録を更新した観測地点は19あり、全地点の2割を占めています。1990年代は3地点、2000年代は2地点だけでした。
地球温暖化は集中豪雨の一因とされていますが、今や局所的な豪雪ももたらしています。海水温が高くなると、冬でも日本海上空の水蒸気量は多い状態が続きます。大陸から流れこむ寒気が水蒸気を取り込むと雪雲が連なり、特に日本海側の山間部で短期間に大雪が降ります。標高が高いエリアなどを除けば、温暖化で全国の雪の総量は将来の減少が予想されています。地上付近の気温は下がりにくくなり、日本海側の平野部で雨や曇りが多くなるためです。結果として雪の降り方が二極化する可能性があります。
(2025年1月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)