単身高齢者の増加

 国の推計によれば、単身高齢者は2020年の737万人から、2050年に1,083万人に増え、日本の世帯の5軒に1軒が単身高齢者となります。警察庁によれば、昨年1~6月に自宅で死亡しているのが見つかった一人暮らしの人は、全国で計3万7,227人に上り、約8割は高齢者でした。

 単身高齢者が増えることによる孤独や孤立が課題になっています。孤独は、独りぼっちで寂しいといった主観的な感情のことです。孤立は、客観的に見て他者とのつながりが乏しい状態です。内閣府の2023年の調査によれば、何らかの孤独感があると答えた人は約4割を占めています。孤独を感じやすいほど、心疾患のリスクが高まり、認知機能の衰えにつながりやすいなど健康への悪影響が心配です。失業などで経済的に苦しくなった際、社会的に孤立していると自治体の支援策の情報などを得られず、生活がより困窮する恐れがあります。

 孤立を防ぐために、多くの自治体が地域の見守り活動に力を入れています。民生委員による自宅訪問や、人の動きを察知する人感センサーなどの機器の設置費用への補助、弁当の配達業者が安否を確認する取り組みがあります。近所で開かれる食事会などの交流イベントに自ら足を運んだり、清掃などのボランティア活動に参加したりして、積極的に人とかかわろうとする姿勢も大切です。

(2025年1月18日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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