脳死判定の遠隔支援

 厚生労働省は、脳死下の臓器提供の経験が豊富な拠点施設と、経験の浅い医療機関をオンラインで結び、遠隔で脳死判定などを支援するシステムの配備に着手しています。拠点施設の医師が状況を同時に確認しながら助言することで、円滑に脳死判定を進め、臓器提供の増加につなげたいとしています。

 臓器提供を行う人員や経験が不足している約70の医療機関に、高精細のカメラとスピーカーを搭載した機器を配備します。医療機関に脳死の可能性がある患者がいる場合、全国25の拠点施設のうち、連携する地域の拠点施設とオンラインでつなぎ、患者の様子や脳波のデータなどを共有します。脳死判定から臓器摘出まで必要な手続きについて、拠点施設の医師から助言を受けることができます。

 国内で臓器提供が可能な約900の医療機関のうち、実際に提供経験があるのは3分の1にとどまっています。厚生労働省は2019年度から拠点施設の医師らが、経験の浅い医療機関に出向いて脳死判定を支援する事業を実施しています。臓器提供に至るまでに、拠点施設の医師や看護師らが複数回足を運ばなければならないことも多く、医療機関が遠方にある場合の負担が課題になっていました。

(2025年2月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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