経済産業省所管の産業技術総合研究所(産総研)は、米インテルと次世代の量子コンピューターを共同で開発します。インテルの最先端チップを使い、産総研の拠点で組み立てます。開発した次世代機は、企業が使用料を払って創薬や金融などのビジネスに生かせるようにします。
1999年に、NECが初めて量子コンピューター開発の基礎となる超電導量子ビットを実現して、世界で研究が加速しました。従来のコンピューターの限界を超えて、様々な条件を掛け合わせた複雑な問題を超高速で解ける特徴を持っています。創薬や新素材の開発、金融のフィンテック分野での活用が期待されています。
現在の技術では計算エラーが多い課題があり、実用化はまだ途上です。量子コンピューターの種類は、計算の素子となる量子ビットの作り方の違いで、超電導方式やシリコン方式など乱立しています。開発には莫大な資金がかかるため、政府による投資が重要視されます。経済産業省によれば、2023年までに中国政府は同分野に世界で最も多い150億ドル(約2.3兆円)を投資しています。英国政府の43億ドルや米国政府の37億ドルが後に続いています。日本政府は7億ドルにとどまっています。
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(2025年2月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)