国立がん研究センターは、2012年に全国のがん診療連携拠点病院など361施設でがんと診断された約39万人分の院内がん登録のデータを対象に、19種のがんについて、進行度を示す4段階のステージ別に集計しています。
胃がんは、早期のステージ1の場合、診断から5年後までの生存率と、診断5年後〜10年後の生存率はほぼ変わりませんでした。より進行したステージ3の場合、診断から5年後までの生存率は36.5%ですが、1年生存するごとにその後の5年生存率は上昇し、診断5年後〜10年後は69.1%となり、長く生存するほど、次の5年間の生存率が上がっています。ステージ4の患者も同じ傾向でした。
大腸がんもステージ3では、診断から5年後の生存率が68.0%だったのに対し、診断5年後~10年後の生存率は77.3%に上がっていました。しかし、乳がんはどのステージでも生存率に変化はみられませんでした。乳がんでは、病態悪化のリスクが長期にわたって続くタイプが多いことが要因と推測されます。
(2025年2月13日 朝日新聞)
2012年にがんと診断された患者で、がん以外による死亡も含め算出した10年生存率は46.6%でした。がん種別の10年生存率は、大腸がんが48.7%、非小細胞肺がんが28.0%、胃がんが47.6%、乳がんが77.7%でした。
(2025年2月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)