2023年度の経口中絶薬の服用状況

 厚生労働省の発表によれば、人工妊娠中絶のための飲み薬である経口中絶薬が日本で初めて承認された2023年4月から2024年3月末までの約1年間で、この薬を服用した中絶が1,440件でした。5歳ごとの年齢層で見ると、最多は20~24歳の379件で、25~29歳の349件が続いています。最年少は13歳です。

 服用した年齢は、13歳と14歳が各1件、15歳が9件、16歳が11件、17歳が21件、18歳が28件、19歳が50件です。30~34歳が263件、35~39歳が223件です。服用した時期は妊娠7週以前が1,115件で、8~11週が325件です。都道府県別では、東京の365件が最も多く、大阪の258件、熊本の93件、群馬の91件、新潟の61件などです。岩手、兵庫、島根、大分など16県は報告がみられていません。

 2023年度の人工妊娠中絶件数が前年度比4,009件増の12万6,734件で、22年ぶりに増加に転じています。新型コロナウイルス禍が落ち着き人との接触が増え、望まない妊娠が増えたと考えられています。2023年度の12万6,734件の内訳は、20~24歳が最多の3万2,547件で、25~29歳の2万7,879件、30~34歳の2万2,600件が続きます。2023年度の人工妊娠中絶は12万件を超えており、まだまだ広がりは不十分です。

(2025年2月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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