医療施設の倒産・休業の増加

 帝国データバンクによれば、2024年の医療従事者の倒産は64件、休業・廃業などは722件と、どちらも過去最多を記録しています。主な要因は、医薬品や設備機器の価格高騰、人手確保のための人件費増加、新型コロナウイルス関連補助金削減、後継者不在の診療所経営者の高齢化などです。

 高齢化が事態をさらに悪化させています。医師が高齢化すると働ける時間が減っていきますが、患者は高齢化によって病気になりやすくなり、その結果、医師が患者に割く時間が増えていきます。地方では、必要な医療に対し、医師の労働力が不足することで問題が生じます。医師の都市集中により、医師不足に悩む過疎地域が増えています。また診療科格差も問題となっています。今後、医師制度を維持していくためには、いまだに残るアナログ文化などの非効率さの解消、医師のワークライフバランスの確保、オンライン診療の普及など、するべきことは山積みです。

(2025年2月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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