精神障害による労災認定の増加

 過重労働や仕事のストレスを原因とした労災は増加を続けています。厚生労働省のまとめによれば、うつ病など心を病む精神障害の2023年度の労災認定は883件で過去最多でした。このうち自殺・自殺未遂は79件でした。脳・心臓疾患は減少傾向にありますが、精神障害はほぼ右肩上がりです。

 精神障害の労災認定を原因別に見ると、パワハラが最多の157件で、うち10件が自殺や自殺未遂でした。仕事内容や仕事量の大きな変化は100件で、カスタマーハラスメントも52件あります。年齢別では最多は40代の239件(自殺や自殺未遂は23件)、20代が206件(17件)、30代が203件(6件)、50代が190件(30件)と続いています。

 請求件数も増加傾向で、2023年度は3,575件です。10年前の2.5倍、20年前の8倍に上ります。2014年に過労死等防止対策推進法が成立したことなどで理解が進んでいます。2023年には精神障害の認定基準を見直して対象を広げ、労災申請のハードルが下がっています。

(2025年2月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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