帯状疱疹ワクチンの定期接種化

 帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスが原因です。水ぼうそうが治った後も神経に潜伏し、免疫の働きが落ちると活性化して発症します。50歳頃から急増し、70代が最も多く、80歳までに3人に1人が経験すると推定されています。近年は、子育て世代を中心として若い世代でも帯状疱疹が増加しています。若い世代の増加の一因には、2014年に子どもの水痘ワクチンが定期接種になったこともあるとされています。水ぼうそうが流行しなくなったことで、大人では原因ウイルスに対する免疫が活性化される機会がなくなり、発症しやすくなっています。

 神経に沿って、皮膚に刺すような痛みや水ぶくれ、腫れが生じます。10~50%の患者は、数カ月から数年にわたって神経痛が残る帯状疱疹後神経痛になるとされています。治療には抗ウイルス薬が使われます。ウイルスの増殖のピークを過ぎると効きにくくなるため、発症から3日以内に服薬を始めるのが理想です。

 帯状疱疹を防ぐワクチンは、接種が1回の生ワクチンと、2回接種が必要な組み換えワクチンの2種類が承認されています。発症を防ぐ効果は、生ワクチンでは接種後1年で60~70%程度、組み換えワクチンでは97.7%とされています。定期接種は65歳以上の人が対象で、費用の一部が公費で助成されます。経過措置として、2025年度から2029年度まで毎年度、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になつい人も対象となります。

(2025年2月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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