再犯率の高止まり

 犯罪白書によれば、刑法犯の検挙人員のうち初犯者は、2006年の23万5,000人から2023年は9万7,000人と6割近く減少してきています。しかし、再犯者は、2006年の14万9,000人から2023年は8万6,000人にと4割減にとどまり、2023年の再犯者率は47%と高止まりが続いています。

 出所後、仕事に就けず困窮し、住居もない人が再び犯罪に手を染めるケースが目立ちます。再犯した人のうち7割が無職でした。法務省によれば、2022年の出所者のうち出所時に居住先がなかった人の再入率は21.8%と、全体の再入率の13%を大きく上回っています。

 2025年6月に新設される拘禁刑は、懲らしめではなく立ち直りに重きを置いています。犯した罪や年齢、抱える障害など受刑者一人ひとりの特性に応じた処遇ができるよう24の課程を用意しています。改善更生と厳格な刑執行のバランスを取りつつ、受刑者が受け身ではなく意義を感じて作業などに取り組む環境づくりが求められます。

(2025年2月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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