大学で業務をアウトソーシング(外部委託)する動きが広がっています。私立大学においては、留学相談や住居紹介、図書館運営等内容は多岐にわたり、自ら株式会社を設立するケースも目立っています。民間企業のノウハウを活用し、学生へのサービス向上や業務の効率化を図るのが狙いです。少子化で学生の獲得競争が激しくなるなか、各大学は経営体質を強化しようと知恵を絞っています。
経営の自由度が高い私立大だけでなく、国立大学においても、業務の民間企業への外部委託は少しずつ広がっています。特に施設の清掃や保守・点検はほぼ100%の大学が実施しており、病院を持つ大学では8割以上が医薬品などの管理業務を任せています。国立大の財政も厳しくなる中、外部委託をする余地は大きく、サービス向上にも有効な手段であると思われます。
(2014年11月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)