障害者雇用の男女比

 厚生労働省の労働力調査によれば、国内の雇用者数における女性比率は、1985年は35.9%、2000年は40.0%、2023年は46.0%と男性5:女性5に近づいています。しかし、障害のある人については、2023年度の女性比率の身体障害者は26.3%、知的障害者は31.8%、精神障害は32.8%です。上昇はしていますが、男性7:女性3の状態にあります。

 平均賃金では、障害のある人に限らず男女格差が残り、男性全体>女性全体>障害男性>障害女性という序列化がみられます。厚生労働省は、障害者と障害者でない方の均等な機会の確保などを目的に、男女問わず支援を行った結果、雇用者数は21年連続で過去最高を更新しており、女性比率も改善傾向にあるとしています。

 障害者の中でも特に女性は、家族に依存した生活が前提とされ、経済的自立が軽視されてきました。政府は障害者基本計画などで、障害女性の複合的困難に言及しています。障害者施策にジェンダーの視点は欠けたままです。

(2025年3月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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