配偶者控除の見直し

配偶者控除の見直しをめぐり、政府税制調査会は現時点での選択肢をまとめました。配偶者控除とは、例えば妻の年収が103万円以下なら、夫の収入から38万円を差し引いて所得税を計算し、税負担を軽くする仕組みです。妻の年収が103万円を超えると差し引ける額が段階的に減るほか、この制度を参考に企業も配偶者手当の支給基準を決めるなどしています。この制度により女性が働き方を抑えてしまう、いわゆる「103万円の壁」になっているとの指摘もあり、見直しが議論されてきました。

 見直し案として5案が示され、夫婦控除は今回新たに示されています。配偶者控除をなくす代わりに、夫婦であることを条件に、夫婦の所得に対する控除を上乗せするなどして税負担を軽くする仕組みです。共働き世帯や単身者の増加、人口減などを踏まえて子育て世代の夫婦への配慮を意識した制度です。経済的理由で結婚をあきらめる若者が多いことも考慮した見直し案であるとしています。

(2014年11月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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