睡眠中に記憶の準備

 人間の脳には、1,000億個以上の神経細胞があります。脳は、これらの神経細胞が電気的に活動する組み合わせで、記憶を保存すると考えられています。特定の記憶に対応する神経細胞の組み合わせが脳で再び活動すると、その記憶が呼び起こされ、睡眠中に活動すれば夢になるとされています。

 富山大学の研究チームによれば、マウスの睡眠中に実験1日目の記憶で生じた神経細胞の活動を観察したところ、この記憶による組み合わせとは別に、常に一定の神経細胞が活動していました。この神経細胞を継続観察すると、2日目の記憶で生じた神経細胞の組み合わせとほぼ一致していました。睡眠中に、近い未来の記憶を担う細胞集団があらかじめ割り当てられているとみられています。

 睡眠で過去の記憶が固定されることは知られていますが、未来の記憶にも重要であることを示す成果です。記憶が時系列で結びついていることと関係している可能性もあります。

(2025年4月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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