国立大学法人全体の2023年度決算をみると、収入にあたる経常収益の5割を、国からの運営費交付金が占めています。法人化した2004年度から、交付金は1割減少しています。一方、経常収益は2004年度から1.2倍に増えています。受託研究や補助金などの外部資金が3.8倍に増えたことによります。
外部資金受け入れ額の推移を見ると、企業などからの受託研究が3倍、補助金は370倍に増えています。外部資金の多くは使途が決まっており、交付金のように大学の裁量で使える予算は減ったとされています。また、支出にあたる経常費用は人件費が5割を占めています。物価高騰などの影響で、教育・研究経費は増えています。
文部科学省は、人件費や物価の高騰に対応できるよう、今後も交付金の確保に尽力するとしています。これまで規制緩和や寄付税制の充実などを図ってきており、寄付や共同研究、土地活用など財源の多様化を各大学に促すとしています。
(2025年4月22日 読売新聞)
(吉村 やすのり)