日本学生支援機構の発表によれば、2024年5月1日現在の外国人留学生が前年比21%増の33万6,708人で、比較可能な2011年以来で過去最多となっています。円安などを背景に日本を選ぶ留学生が増えたとみられ、新型コロナウイルス禍前を初めて上回りました。出身国・地域別は、上位10カ国は全てアジア圏で、前年比7%増の中国が最も多く、全体の4割弱を占めています。71%増のネパール、11%増のベトナムが続き、4位のミャンマーは2.1倍に増えています。
外国人留学生のうち、大学や専門学校などの高等教育機関に在籍するのは22%増の22万9,467人で、日本語学校など日本語教育機関に在籍する留学生は18%増の10万7,241人で、いずれも過去最多でした。世界的に物価が上昇し、留学費用の負担が重くなるなか、円安の影響で欧米に比べて安く済むとして日本が選ばれています。
急速な少子化を受けて、政府や各大学も奨学金を設けるなどして、留学生の受け入れを強化しています。国立大学協会は、国立大の留学生比率を2040年までに3割に高める目標を掲げています。早稲田大学が2032年に全学生の2割に当たる1万人の受け入れを目指すなど、私立大の動きも活発です。
2023年度に海外の大学などに留学した日本人学生は8万9,179人で、前年度から53%増えています。留学先は米国が最も多く全体の15%を占め、オーストラリア、韓国、カナダが続いています。従来から英語圏が留学先として人気が高いのですが、円安の影響などもあり、アジア圏の増加が目立っています。韓国は79%増で、台湾は2.8倍に増えています。
(2025年5月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)