地方創生のための関係人口の拡大

 関係人口とは、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人口のことを言います。全国自治体が、住民でないのに特別な思い入れで地域と継続的に関わる人たちを指す関係人口に注目しています。観光やふるさと納税などのリピーターとして我がまちを推してもらい、移住につながる可能性も期待しています。関係人口を創出・拡大する行政サービスに取り組む自治体は、全国で8割になっています。

 内閣官房の調査によれば、関係人口向け行政サービスを実施した自治体は2023年度が78.7%、2024年度に実施か実施予定と答えた自治体は80.4%でした。2023年度実績を都道府県別にみると、長崎県は実施率が唯一100%で、岡山県が96.4%、岩手県が94.1%で続いています。

 関係人口向け政策の財源は自治体の持ち出しが多くなります。内閣官房の調査によれば、2023年度の実施財源が単独予算なのは1,224自治体で、実施自治体の87%に達しています。費用対効果を踏まえる必要はありますが、移住者誘引は切実な課題となっています。

(2025年5月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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