国会の定数は衆院が465人、参院が248人です。公職選挙法は衆院選に出馬できる年齢を25歳以上と規定しています。30歳以上と高い参院は、平成生まれの議員がまだいません。平成生まれは2024年に3割弱に上っています。総務省によると、25~34歳に絞っても全体の10%を占めています。2024年10月の衆院選時に平成生まれは最高35歳で、国会議員の割合は人口比を大きく下回っています。
海外をみると若手の割合が日本より高い国は多く、世界の国会議員が参加する列国議会同盟によれば、英国は30歳未満の下院議員が2024年に3.8%を占めています。2010年の0.3%から10倍に増え、40歳未満は27.3%に上っています。フランス議会も40歳未満の議員が27.9%に上っています。若手が増えたのは、2006年に被選挙権年齢を21歳から18歳に引き下げたことによります。米国は40歳未満が8.3%、日本は7.7%にとどまっています。米国の被選挙権は上院が30歳以上、下院が25歳以上と日本と同じです。
日本の衆院選をみると、この20年間若手は増えていません。当選者の平均年齢はほぼ変わらず50代で推移し、2024年衆院選も55.6歳でした。日本は2015年の公職選挙法の改正により、選挙権を持つ年齢が20歳から18歳に引き下げられました。候補者との年齢差は広がっています。若い世代は人口が少ないうえに投票率も低く、若手国会議員が生まれにくく、若年層向けの政策が重視されにくい構造的な要因となっています。次を担う世代の意思が政治に届き反映される社会制度を構築できるように改革し続ける必要があります。

(2025年5月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)