バス高速輸送システム(BRT)の導入へ

 路線バスの利便性向上を目指し、専用レーンを延伸する試みが各地で生まれています。人口減に伴う路線廃止などで全国的には縮小傾向にありますが、整備に積極的な7県では合計32キロメートル延びています。沖縄県は延伸を重ね、バス高速輸送システム(BRT)への移行も視野に入れています。

 BRTとは、専用の道路やレーン、運行管理システムなどを備えたバス高速輸送システムの略称で、通常の路線バスより高い定時性や速達性が特長です。鉄道や次世代型路面電車(LRT)に比べて初期投資を抑えやすく、地方都市でも導入しやすく、鉄道と路線バスの中間的な輸送モードとされています。

 政府は、BRT導入に関するノウハウや留意点をまとめたガイドラインを2022年に策定し、自治体の検討作業を後押ししています。バスの利便性を高め、マイカーから公共交通へのシフトを促す狙いがあります。利用者の増加で地方のバス路線を維持する一方、環境負荷を抑える効果も期待されています。

 国土交通省によると、4月1日現在で全国32カ所が導入しており、5年間で6割増えています。バスレーンを整備している地域でBRTの導入が進みやすい傾向が見られます。BRTの導入当初は、鉄道の廃線跡を専用道に転用する例が多かったのですが、最近は一般の公道に導入するケースも増えています。

(2025年5月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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