世界知的所有権機関(WIPO)のグローバルイノベーション指数の最新の2024年版では、スイスが1位で米国は3位です。アジア圏ではシンガポールが4位、韓国が6位、中国が11位です。理工学系の卒業生数やモバイルアプリ制作数といった約80の指標をもとに算出しています。日本は、国際ランキングで2035年までに4位以内を目指しています。
知財の考えは、これまで創造や保護の視点が多かったのですが、活用も前面に出すようになっています。知財計画2025では、知財を生かして世界から開発拠点や人材を呼び込み、イノベーションにつながる取り組みを進める必要性を指摘しています。AIの利活用も重要だとしています。その上で、知財活用のための施策や人材育成策を盛り込んでいます。
日本は、マンガやアニメ、ゲームなど有力な知財を抱えており、ブランドは世界トップクラスとされています。コンテンツ産業の海外輸出規模は、2023年に約5兆8千億円で半導体産業を上回っています。知財大国を実現する方針を鮮明にして、コンテンツ産業など強みを生かし、世界での存在感を高めていきます。

(2025年6月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)