文部科学省は、全国の私立大学に対し、合格者が納付する入学金の負担軽減策を検討するよう通知しました。入試の多様化によって、複数の大学に合格して入学金を納め、家計の負担が重くなっているとの声が上がっていました。入学辞退者には返還するといった対策が想定されています。
ある私大が第1志望の場合、先に合格した第2志望の入学金を支払って入学先を確保し、第1志望に合格後に第2志望の入学を辞退するといった受験生は多いと思われます。この場合、入学金は戻ってこずに二重払いとなります。文部科学省は、大学入学者全体の2割強が入学しなかった大学に入学金を払っていると推計しています。2023年度の私大の入学金は平均で24万806円で、入学しなかった大学に支払った金額は、入学金などを含めて平均26万3,800円に上っています。
2025年度実施の入試に向けて、①分割払いにして辞退前の納付額を減らす、②ほかの形式の入試で辞退者に代わる入学者が見込める場合、納入済みの入学金を返還するといった対策の検討を求めています。

(2025年6月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)