指定難病患者は全国に約100万人おり、働く人は増えています。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が2024年に公表した調査によれば、難病患者の就労率は69%と、2015年公表時の調査比で15ポイント改善しています。ハローワークの就職件数も、2023年度に2,800件程度と2020年度比で2割増加しています。
行政による就労支援により、障害者の法定雇用率は段階的に引き上げられてきました。難病患者は、この障害者雇用に該当する場合があり、企業も雇用意欲が高まっています。全国のハローワークに、難病患者就職サポーターを配置する取り組みも進んでいます。独立行政法人の調査では、就労率は7割近くなっています。
医療費や福祉の助成拡充、国による難病に関する治療法の研究などを定める難病法は、2015年の施行から丸10年の節目を迎えています。医療費助成制度の対象となる疾患は、施行前の60未満から340以上に増えました。指定難病の増加とともに、患者も多様になっており、就労支援は大切です。

(2025年7月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)