若者の新卒採用に積極的な企業が増えているのに、若者の失業率は中高年層に比べると高いといわれています。若者の失業率が中高年より高いのは、自分から仕事を辞めて職探しをする人が多いことに起因しています。求人があっても満足できる仕事が見つかるまで探し続ける「自発的失業」が多いといわれています。厚生労働省によると大卒の新入社員の約3割が、入社3年以内に会社を辞めるとの傾向が20年以上続いているとのことです。
正社員を解雇しづらい日本企業は、景気変動に応じて新卒採用を増減させてきたところがあります。正社員の若者をできる限り増やすのが最も大切です。単に失業率の水準だけでなく、正社員になりたいのにパートやアルバイトとして働く若者を減らすことが重要です。働く意思がないニートと呼ばれる若者をいかに就業させるようにするか、そうした若者が働くことができるような職場を用意するといった雇用対策が必要となります。若者が将来に希望を持てないような雇用や社会保障制度を根本から見直す時であるかもしれません。
(2014年11月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)