国民医療費の増加

 医療費は、病気や怪我の治療のため医療機関に支払うお金です。厚生労働省は保険診療の対象となった入院代や診察料、薬代などの総額を国民医療費として公表しています。2022年度は46兆6,967億円で前年度から3.7%増えています。人口1人当たりに換算すると37万3,700円です。GDP比8%を超えています。

 財源別にみると、企業負担分も含めた保険料が50.0%で最も多くなっています。国と地方を合わせた公費が37.9%、患者の窓口負担が11.6%となっています。自己負担の軽い高齢者が増えたことで、患者負担の比率が下がり保険料の割合が上昇してきました。公費の多くは借金で、医療費が2040年度に70兆円ほどに膨らむとされています。給付や負担の見直しが必須です。

 医療費の削減としては、似た成分や効果を持つ市販薬があるOTC類似薬を念頭に置いた薬の保険給付見直しや、金融所得の保険料への反映、現役並みの所得がある高齢者の窓口負担の基準見直しなどが考えられています。

(2025年7月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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