フリーランスとは、個人で企業などから仕事を請け負う働き方をしている人のことです。従業員を使うことなく、自身の経験や知識、技術を生かして仕事をします。通訳やカメラマン、システムエンジニア、料理宅配の配達員などが当てはまります。会社員のように雇われていないので、比較的自由に場所や時間を選んで働けるのが特徴です。
国の推計によれば約462万人です。育児や介護と両立するためといった働き方の多様化や、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけにしたリモートワークの普及、副業を認める企業の増加を背景に増えています。
仕事を発注する企業に対し、請け負う側のフリーランスは、相対的に立場が弱くなりがちです。国が公表した調査結果によれば、報酬を著しく低くする買いたたきに遭ったフリーランスは約7割に上っています。約3割は契約時に決めた報酬を一方的に減額された経験があります。
国は、2024年にフリーランス・事業者間取引適正化法を新たに施行しました。発注企業に対し、不当な報酬の減額や買いたたきを禁止し、ハラスメント被害の相談を受け付ける社内体制の整備を義務付けました。フリーランスに業務委託した出版社や楽器販売会社が取引条件を明示していなかったなどとして、国から再発防止の勧告を受けています。

(2025年7月19日 読売新聞)
(吉村 やすのり)