子どもの学力低下―Ⅱ

学力低下の背景

 小学6年生と中学3年生の学力の変化を見る調査で、どの教科も前回調査より成績が下がっています。主に四つの要因が挙げられます。①勉強時間の減少、 ②学習指導要領にある知識・技能の定着不足、③家庭の経済的な背景、④SNSやゲームなどのデジタル環境の影響です。特に④が一番大きいとされています。

 学校のある日の子どものスマホなどの使用時間を2時間以上としたのは、小学校で26%、中学校で53%に上り、いずれも前回を上回っています。2時間を超えると平均スコアが低下する傾向もみられています。急速なデジタル環境の変化について、海外では、基本的な読み書き能力や読解力の低下をもたらしているという論考もあります。

 学校外の勉強時間が短くなっています。塾なども含む平日の勉強時間は、小6が1時間3分(前回比6分減)、中3が1時間23分(同11分減)です。勉強時間が長いほど成績は高い傾向にあります。代わって延びたのがゲームやスマートフォンの時間です。ゲームの時間が長い子ほど、調査のスコアは低い傾向がみられます。

(2025年8月1日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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